Journal #74

2019 AW Bridal Collection
-Dress-

<'19AW Bridal Collection>のドレス受注会が始まりました。

初めて今期のドレスを見たときに心打たれたのは、白という色の美しさ。シルクのしっとりとした気品のある光沢は、触れずとも質感の良さが伺えるものでした。

以前から、西洋でも日本でも、婚礼の衣装に白が用いられている共通点を興味深く思っています。白色は、今の私たちを受け入れ、これから先の未来を予感させる色。だからこそ時代や文化を超えて、二人の始まりの日に纏う色として選ばれ続けているのではないでしょうか。

いつも日常的に見ているはずの白色が特別な色に感じるのは、ドレスの「フォルム」と「質感」の美しさがもたらすものだと考えています。身につけていて心地の良いものを、フォルムと質感の美しさを追求しながら形作ること。これは私たちが、ドレスでもジュエリーでも変わらず探求し続けていることです。

艶のあるシルクを見ていると、真珠のしっとりとした輝きに似ているな、とも思います。純白ではなく、少し温かみのある白色。思えばシルクは蚕、真珠は貝と自然から生まれた天然素材。

自然が生み出すものの淑やかさは、柔らかさだけでなく強さも感じられます。二つとも、ハリのある質感が美しさを生み出しているのも、また奥深いところ。ここにもまた一つ、美しさの源泉を発見したような感動がありました。

ハレの日の装いと着心地の良さが共存する、白が引き立つシルクのドレス。その方の身体に合わせ一つ一つ手仕事で仕立て上げるので、「ドレス」と呼ぶよりも「上質なお仕立て服」と表現した方があっているかもしれませんね。

上質なお仕立て服で過ごす特別な日は、美しい白色の記憶と共に人の心に刻まれてゆくことでしょう。

mederuがご提案するヴィンテージ小物を合わせたスタイリングと共に、愉しんで頂ければ幸いです。

<ドレス受注会の詳細は、Dress Style をご覧ください>

アトリエスタッフ:工藤