PRODUCT JOURNEY - Solitaire Engagement Ring- [後編]

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PRODUCT JOURNEY

- Solitare Engagement Ring-

記憶の中の憧れを形に[後編]

前編で綴った「オールドシングルカット」との出会い。見るものに懐かしさを呼び起こす澄んだ輝きが、私たちの長年温めてきたソリテールリング構想の大きな原動力となりました。このシングルカットダイヤを活かす形を探る旅が、この後編となります。ぜひ〈前編〉と合わせてご覧ください。

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「ジュエリー」という言葉の奥で灯る、懐かしい憧れ。私たちにとって、そのデフォルメした姿こそが、ソリテールリングでした。

長い間、ジュエリーとは権力や富を象徴するものでした。つまり誰かに見せることで価値が生まれるものです。美しさを競い合い、最高級の技術や希少な素材が選ばれていく。しかし、今を生きる私たちにとってのジュエリーは、決して誰かと張り合うものではありません。内側にある自分らしさを表すような、個性を持ったものです。

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古いビジューのような、オールドシングルカットの輝き。これも、一般的なブリリアントカットとは違う個性を持っています。輝かせるためのお化粧をせず、内側の小傷や内包物も見えるくらいの澄んだ輝き。そばかすがあっての愛おしさを感じる方は、決して少なくないと思うのです。そうした、完璧とは違う美しさを個性としていきたい。

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しかしこのソリテールの形に、個性はこれといって無いようにも見えます。しかし、装飾性や時代性などを丁寧に削ぎ落として行くと、それは心地よい余白となって、身につける人に馴染んでいきます。それは歳を重ねるほどに刻まれる皺や傷をもった手と似ています。

軽やかな6本爪。端正な腕付き。今は個性が見えづらいかもしれません。今とこれからの間に、少しずつ個性が生まれていく場所を作っています。

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エンゲージリングは長く付き合うことを約束された特別なもの。その特別感とは、目に見える形そのものではなく、時間をかけて「自分になっていく」たった一つの個体性です。そしていつの日かその姿が誰かの記憶の中に焼き付いて、あなたを物語るものとなる--私たちの物作りがこんな循環を作れたら、これほど嬉しいことはありません。

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megumi kudo