PRODUCT JOURNEY - 光の移ろい -

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PRODUCT JOURNEY

- 光の移ろい -

冬の開発をする前、私たちは真珠の産地である愛媛県・宇和島市に出かけました。そこで出会った若い養殖家に「この土地のとっておきを見せたい」と軽トラックに揺られて連れられたのは、小高い丘の上。真珠が眠る湾が見渡せ、境界線など無いように空が広がっていました。ちょうど日が傾きつつある時間帯で、空は少しグレイッシュなグラデーション。自然と「真珠に似ている」と声に出していました。

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これはあながちポエティックなことではありません。真珠の表面は真珠層に覆われています。真珠層とは透明な真珠質が何層にも重なり合って生まれる薄いフィルムのような膜のことです。真珠や白蝶貝に現れる虹色の光沢は、この真珠層を通して起きる光の干渉色です。つまり空や海と同じように、真珠や白蝶貝は光で覆われているのです。

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だからでしょうか、私たちは真珠や白蝶貝を見るとき、他の素材にはない感覚を覚えます。色彩や輝きといったはっきりと知覚できるものではなく、毎日に穏やかに染み入っていくような、柔らかな温もりです。一般的に真珠は白い丸珠がいいとされますが、そうした画一的な基準も似合わないとさえ思います。光のヴェールを纏った真珠は、どんなに白いものでも、晴れの日と曇りの日でも表情は移ろうのではないでしょうか。ならば、私たちは色や形にこだわるよりも、その豊かな表情を引き出す潤みと出会いたいと思います。今季の白蝶貝と真珠たちも、冬の澄んだ空気を映したように、瑞々しい光を纏っています。

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光が生み出す柔らかな温もり。空や海の色がその時折で変わるように、いつ見ても味わい深い魅力を、これからも探していきたいと思います。

megumi kudo