#5 Crystal square  -憧れるものになるには-

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#5 Crystal square  -憧れるものになるには-

子供のころ、祖母や母が特別な時だけ開く引き出しの中には、大切にしまわれたとっておきのジュエリーたちが静かに出番を待っていた―― こんな場面が思い出としてある方もいらっしゃるでしょうか。頻繁に開かないその引き出しから幼いながらに感じたただならぬ空気は、気軽に触れてはいけない大人のものとして認識していたからだと思います。
私たちのジュエリーの中でも、そのように不思議な気持ちを思い起こさせるアイテムに〈水晶 スクエア〉シリーズがあります。

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西洋の文化が入ってきた明治大正期のジュエリーに着想を得たこのアイテム。大ぶりな存在感ながらも柔らかさが灯る水晶の表情は、無色透明だった鉱石からは想像のつかない温かみを宿します。
熟練の職人が指先の感覚を頼りにひとつずつ磨りだしたその輝きには、山梨・甲府に伝わる水晶貴石細工の工芸性が込められています。無垢な鉱石は、今日まで代々伝わる技術により懐かしく新しいものへと姿を変えたのです。

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ジュエリーとしての存在感がありながら、人の手によって加えられた水晶の温かみは、身に着けたときにどこかほっとした気持ちをくれます。また確かな作りから得られる安心感は、長く共に過ごすことを約束してくれることでしょう。 

古いジュエリーに抱く不思議な気持ちは、どのように歩んで愛されたかといった、ものの背景への憧れなのかもしれません。 この〈水晶スクエア〉シリーズもこれから長く人と歩み、いつか憧れを抱かれるような存在になることを願っています。

megumi kudo