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コツコツコツ。
日当たりのよい窓辺から、小さなリズムが刻まれます。
共に製作をした彫金師の仕事場は自宅の中。
年季の入った机の上には精鋭の鏨(たがね)たちが、
準備万端といったようにざっくりと収められています。
足元をすり抜ける猫をさらりとあしらいながら
「毎回が勉強」と、小さな体をさらに縮めるようにして
今日も一つずつ彫り進めています。

「やればやるほど新しいことが出てきます。
普段は飽きっぽいのに、奥が深くてやめられなかった」
その熱中を物語るのは、鏨の数。職人も正確な数は分からないそう。
この中には、師匠や仲間から譲り受けたものも含まれています。
流れるような曲線、力強く太い線。
どれも鏨と鎚(つち)の使いようで刻んでいく彫金では、
鏨の工夫は昔から彫金師の重要な日課のひとつです。
一本の鏨に、ひとつの試行錯誤のストーリー。
もしかすると、一生の間に自分が出会えなかったかもしれない壁も
先人たちが道具を通し、静かに教えてくれます。

彫金を究めるには、一人の時間ではとても厳しい。
それをいちばん肌で感じているのは彫金師たち当人です。
だからこそ技術と仲間に誠実に向き合う文化を
時間をかけて作り上げたのでしょう。
今にいたる彫金の伝統と進歩は、
この長い歴史にいた彫金師たちの想いによって、
少しずつ進歩しながら繋がれています。
私たちが感じていた彫金への「確かさ」。
それは彫金師たちが誠実に捧げた
長い長い時間そのものにあるのだと感じます。

「90歳で亡くなった私の師匠も、
『まだまだやりたいことがたくさんある』と言っていました
200歳くらいでも、足りなさそうだけど」
小柄な彫金師の背中が背負っているものは、なんとも大きいものです。

こうして生まれた〈プルーヴ〉の特徴は
彫金を施した際に表れる、
線の揺らぎや陰影を感じて頂けるよう、
甲丸(ラウンド)・平打ち(フラット)といった
いたってベーシックな形に仕立てたところです。
何度も試作を重ねた結果、
それが彫金の魅力がいちばんシンプルに収まる形でした。

今回、新たに製作した〈プルーヴ-スリム-〉。
前回の製作を活かしながら
確かさと心地よさのバランスを探り、
手にした時からなじむ形に仕立てました。

時をこえて残るものには必ず、
人の熱意や愛された記憶があります。
〈プルーヴ〉は作り手の想いを託し、
使い手の想いを受け取る器です。
その確かな温もりは、
身に着ける人に豊かな時を刻んでくれることと思います。

お店にいらした時は、ぜひ間近でご覧ください。

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